作詞:不詳(文部省唱歌)
作曲:不詳(文部省唱歌)
発表:1932年(昭和7年)
掲載:『新訂尋常小学唱歌 第五学年用』
「雛祭」は、1932年(昭和7年)に発行された『新訂尋常小学唱歌 第五学年用』に収録された文部省唱歌です。歌い出しは「お行儀正しい内裏さま」で、雛壇に飾られた雛人形の姿を、子どもの目線から美しく描いています。
一番では、内裏雛や赤い袴の官女、五人囃子が整然と並ぶ雛壇の様子が歌われます。雪洞(ぼんぼり)に明かりをつけ、金の屏風がきらきらと輝く光景を、「夢のお国の御殿」のようだと表現しており、雛祭りの華やかで幻想的な雰囲気が伝わってきます。
二番では、赤い毛氈、菱餅、お白酒、菓子や豆など、雛祭りに用意される品々が登場します。さらに、花瓶に生けられた緋桃の花が半ば開いて「にこにこ」と咲いている様子が描かれ、雛壇全体が昔話に出てくる家のように感じられる情景で結ばれます。
現在よく知られている「うれしいひなまつり」とは別の作品ですが、この「雛祭」も、雛人形を中心に桃の花や菱餅などを描きながら、春の節句を祝う華やかな情景を表現した唱歌です。作者名を個人名ではなく「文部省唱歌」とする点も、当時の学校唱歌の特徴の一つです。
雛祭を題材にした歌はたくさんありますね、この雛祭は現在ではあまり歌われないようです。やはり「サトウハチロー」「河村光陽」の「うれしいひなまつり」が一般的です。
雛 祭(文部省唱歌)
雛 祭 文部省唱歌
1
お行儀正しい内裏(だいり)さま
赤い袴(はかま)の官女(かんじょ)たち
五人ばやしが次つぎと
きれいに並ぶ壇の上
雪洞(ぼんぼり)つけて坐って見れば
金の屏風(びょうぶ)がきらきらと
夢のお国の御殿(ごてん)のように
2
赤い毛氈(もうせん)美しく
菱(ひし)のお餅にお白酒
お菓子・豆いり いろいろと
きれいに並ぶ壇の上
花瓶にさした緋桃(ひもも)の花も
半ば開いてにこにこと
お伽噺(とぎばなし)のお家のように

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