作詞:サトウ ハチロー(1903~1973)
作曲:河村 光陽(1897~1946)
発表年:1936年(昭和11年)
「うれしいひなまつり」は、桃の節句であるひな祭りを題材にした、日本を代表する童謡の一つです。作詞は詩人・童謡作家のサトウハチロー、作曲は「かもめの水兵さん」などでも知られる河村光陽です。1935年(昭和10年)に作詞され、翌1936年(昭和11年)にレコードが発売されました。
この歌には、サトウハチロー自身の家庭でのひな祭りが背景にあったといわれています。当時、ハチローは娘のために雛人形を買い、家族で飾り付けをしました。高価な雛人形を最初は自分一人で飾ろうとしたものの、並べ方が分からず、結局、家族や手伝いの人たちと一緒に飾ったというエピソードも伝えられています。その華やかな雛人形と、家族がひな祭りを楽しむ様子が、この歌の情景につながったとされています。
河村光陽は、ハチローから送られてきた詩を気に入り、1935年4月7日に作曲したとされています。明るい題材とは対照的に、曲は短調で、どこか懐かしくしっとりとした日本情緒を感じさせます。この独特のメロディーも、長く親しまれてきた理由の一つでしょう。
また、この歌には雛人形の呼び方や左右の位置について、現在では「誤り」とされる表現があります。特に「お内裏様」という言葉は本来、男雛と女雛の二人を合わせて指す言葉です。また、歌に登場する「右大臣」についても、雛人形を見る側からすると赤い顔の人物は左大臣に当たります。
これについては当初から指摘があったようですが、歌の人気に押されてか、そのまま修正されませんでした。作詞のサトウハチローはこの誤りを気にして、ひな祭りの時期になると不機嫌になったとも伝えられているようです。
2007年には、文化庁と日本PTA全国協議会による「日本の歌百選」にも選ばれました。ひな人形を飾り、家族みんなで女の子の健やかな成長を願う――そんな日本の春の風景を、親しみやすいメロディーとともに伝えてくれる名曲です。
うれしいひなまつり
作詞:サトウ ハチロー 作曲:河村 光陽
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