哀 詩(荒城の月 を主題とする変奏曲) 

ピアノ、バイオリン曲

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山田耕筰は「瀧廉太郎」作曲の「荒城の月」を主題とした「哀詩・荒城の月を主題とする変奏曲」を発表しています。(1917年=大正6年)

主テーマと11からなる変奏部から出来たピアノ曲です。現在ではあまり演奏されることもないようですが名曲だと思います。どうぞ一度ゆっくりとお聞きください。

  哀 詩(荒城の月 を主題とする変奏曲)


荒城の月について

山田耕筰は1901年の「中学唱歌」に掲載されていた「荒城の月」を1917年にピアノ伴奏を付け、テンポを変え移調し、一部のメロディーまでも変更して発表しました。現在では「荒城の月」はこの編曲版が主流となっているようですが、原曲のメロディーも混在しています。(特に山田耕筰編曲版などの記述もなく瀧廉太郎作曲となっているのが殆どです)

これについては「荒城の月」で簡単に解説しています。

「哀詩・荒城の月を主題とする変奏曲」解説

滝廉太郎の名曲「荒城の月」は、土井晩翠の詩による、深い哀愁と静かな美しさを湛えた日本歌曲の代表作である。月明かりに照らされた荒れ果てた城跡を舞台に、失われた時代への追憶と、移ろいゆく人の世の無常が描かれている。

本作品は、その「荒城の月」の旋律を主題として、さまざまな変奏を展開するものである。原曲が持つ簡潔で印象的な旋律を核としながら、調性、リズム、音型、和声、音域、音色などに変化を与えることで、主題に内包された哀愁や孤独、そして過ぎ去った時への憧憬を多面的に描き出している。

変奏曲という形式は、ひとつの旋律を繰り返しながら、その姿を次々と変化させていく。その過程は、同じ月を眺めながらも、見る者の心によって異なる風景が浮かび上がることにも似ている。ある変奏では静かな祈りのように、またある変奏では激しい感情のうねりとして、主題の表情が刻々と移ろっていく。

「荒城の月」の旋律が持つ日本的な陰影を大切にしながら、変奏によって生まれる多彩な響きと対比を味わうことが、本作品を聴く大きな魅力の一つである。そこには、単なる旋律の変化だけではなく、記憶と現在、栄華と衰退、生と死といった、人間の営みに普遍的に存在するテーマが映し出されている。

過ぎ去った時代を静かに見つめる月の光。その光は、変わることなく夜空にありながら、そこに照らし出される風景と人の心は、時とともに変化してゆく。

本作品は、「荒城の月」の哀しみを出発点として、その旋律の内に秘められたさまざまな感情を掘り起こし、一つの主題から多彩な音楽世界を紡ぎ出した変奏曲である。 

 

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