作詞:竹久夢二
作曲:本居長世
発表年:1917年(大正6年)

「別れし宵」は、詩人・画家として知られる竹久夢二の詩に、本居長世が曲を付けた歌曲です。1917年(大正6年)8月、セノオ音楽出版社から「セノオ楽譜 No.60」として初版が刊行されました。竹久夢二はこの楽譜の表紙画も手がけており、詩と音楽、装幀が一体となった大正時代の歌曲作品としても興味深い一曲です。

歌いだしの「タランテラ (tarantella)」とは、イタリア・ナポリの舞曲で、3/8または6/8拍子のテンポの速い曲の事です。

歌詞には春が過ぎ去り、草の実が野に散る情景と、かつて別れた人を思い返す心情が描かれています。「別れし宵」とは、別れた夜を意味し、過ぎ去った時間への哀惜と、もう一度その人と何かを歌いたいという切ない思いが静かに表現されています。

本居長世は、「赤い靴」「七つの子」などの童謡で知られる作曲家ですが、「別れし宵」では童謡とは異なる、しっとりとした歌曲的な表現を聴くことができます。竹久夢二独特の哀愁を帯びた詩情と、本居長世の美しい旋律が重なり、大正ロマンを感じさせる歌曲として味わえる作品です。

別れし宵

うた
                             


演奏        

別れし宵  作詞:竹久夢二/作曲:本居長世

タランテラ
踊れるひまに春は逝き
草の実は野に散れり
別れし宵に月は似るとも
あの夜の人と何を歌わん
何を歌わん

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