作詞:鹿島鳴秋(1891~1954)
作曲:弘田龍太郎(1892~1952)
発表・成立:1920年(大正9年)ごろ
「ゆきうさぎ」は、童謡作家・鹿島鳴秋の詩に、童謡作曲家として知られる弘田龍太郎が曲を付けた作品です。鹿島鳴秋と弘田龍太郎は、「浜千鳥」「お山のお猿」などでも知られる組み合わせで、「ゆきうさぎ」も大正期の童謡らしい、素朴で情感豊かな作品となっています。両者による作品として資料にも収録されています。
歌では、赤いお盆の上に作られた雪うさぎが描かれています。最初は目がないため、長い耳を震わせながらじっとしゃがんでいる姿が、どこか寂しげでいじらしく表現されています。
そこへ庭の南天の赤い実を二つ取って目に見立てて付けると、雪うさぎに目ができ、今度は「ぴょんぴょん」と跳ねているように感じられます。雪で作った小さなうさぎに赤い南天の実を添えるという、冬の日本らしい情景が印象的です。
この作品の魅力は、雪うさぎという身近な冬の遊びを、まるで本当に生きている動物のように描いているところにあります。目がないときには「悲しいのか」と語りかけ、目を付けると「うれしいか」と想像することで、子どもの純真な心と、ものに生命を感じる豊かな感性が表現されています。
弘田龍太郎の曲も、こうした可愛らしく素朴な詩情によく合っており、大正時代の童謡に特徴的な、親しみやすく温かな雰囲気を持った作品となっています。
ゆきうさぎ
ゆきうさぎ 作詞:鹿島鳴秋/作曲:弘田龍太郎
赤いおぼんの 雪うさぎ
お眼(めめ)のないのが かなしいか
ながいお耳を ふるわせて
じっとしゃがんだ いじらしさ
赤い南天 おにわから
ふたつとって つけたらば
お眼ができて うれしいか
ぴょんぴょんはねる ゆきうさぎ

0 件のコメント:
コメントを投稿