作詞:不詳(文部省唱歌)
作曲:不詳(文部省唱歌)
発表年:昭和7年(1932年)
「私のうち」は、昭和7年(1932年)に発行された『新訂尋常小学唱歌 第三学年用』に収録された文部省唱歌です。同年の第三学年用には、「春が来た」「茶摘」「青葉」「虫のこゑ」「村祭」「冬の夜」など、四季の自然や子どもの日常生活を題材にした歌が収められています。「私のうち」はその26曲目に置かれています。
この曲では、身近な「うち(家)」を中心に、子どもが暮らす家庭の様子や、春の自然の明るさが描かれています。歌い出しの「萌える木の芽に」に象徴されるように、芽吹きの季節を背景として、家庭という身近な場所への親しみや温かさを感じさせる内容になっています。
昭和初期の唱歌では、国家的・歴史的な題材だけでなく、子どもの生活や身近な自然を題材とする作品も多く取り入れられるようになりました。「私のうち」もその一例で、子どもの日常生活に目を向け、親しみやすい題材を通して家庭の温かさを表現した歌といえるでしょう。
なお、『新訂尋常小学唱歌』では、作詞者・作曲者の個人名を記載せず、文部省による編集・選定の形で掲載された曲が多くあります。「私のうち」についても、現在確認できる資料では作詞・作曲者は不詳とされています。
私のうち(文部省唱歌)
私のうち 文部省唱歌
1
萌える木の芽に 春風吹けば
うちのまわりの 梅・桃・桜
かわるがわるに 花咲きみだれ
人も来て見る 小鳥もうたう
2
うちの前には 小川が流れ
舟もうかべば あひるもうかぶ
つりも出来るし およぎも出来て
あつい夏でも すずしくくらす
3
つゆや時雨(しぐれ)が 色よくそめた
うらの小山に 秋風吹けば
木ぎの雫(しずく)も きのことなって
晩の御飯の おかずにまじる
4
松をのこして 木の葉がちれば
庭は一日 日がよくあたる
本のおさらい すました後は
枝につるした ぶらんこ遊び
私の田舎の風景が目に浮かぶようです。仲間と一緒に冬は山でスキーやそり、春は雪解けを待って山菜取りに。夏は川で泳いだり魚を獲って、秋は栗を拾い、木に登って柿を採る。そんな自然たっぷりな所で育ちました。

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