夜の梅(文部省唱歌)

童謡・唱歌

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作詞:不詳(文部省唱歌)
作曲:岡野貞一
発表年:1914年(大正3年)

「夜の梅」は、文部省唱歌として作られた作品で、1914年(大正3年)刊行の『尋常小学唱歌 第六学年用』に収録されました。国立音楽大学附属図書館の資料でも、同曲は『尋常小学唱歌 第六学年用』に掲載されたことが確認されています。

作詞者は公表されておらず、文部省唱歌として作詞者不詳とされています。一方、作曲は「故郷」や「朧月夜」などでも知られる岡野貞一です。昭和館の資料でも「夜の梅(岡野貞一)」として記録されています。

歌詞は、夜の闇の中でまだはっきりとは見えない梅の花を、その姿ではなく、ほのかに漂う香りによって感じ取る情景を描いています。「窓はとざさぬ闇の梅」「うつる墨画の紙障子」といった表現からは、月夜の静けさと、障子越しに梅を眺める日本的な美意識が感じられます。歌詞全文も確認できます。

特に、梅の「花」そのものではなく、暗闇の中に漂う香りを楽しむという趣向がこの歌の大きな魅力です。視覚よりも嗅覚を通して梅を描くことで、静かな夜の情緒と奥ゆかしい美しさを表現しています。

なお、『尋常小学唱歌』の目次では「夜の梅」が第六学年用に収録されており、同時期の「朧月夜」「故郷」「四季の雨」などとともに、近代日本の唱歌を代表する作品の一つとして位置づけられます。

夜の梅


うた

                   


演奏

夜の梅  作詞:不詳/曲:岡野 貞一

1 
梢まばらに 咲初めし
花はさやかに 見えねども
夜もかくれぬ 香にめでて
窓はとざさぬ 闇の梅

2 
花も小枝も その儘に
写る墨画の 紙障子
香りゆかしく 思えども
窓は開かぬ 月の梅

歌詞の意訳

1番 (暗い夜の様子)

まだまばらに咲き始めたばかりの梅の花だが、暗闇で花は見えなくてもその香りは漂ってくる。まだ春先で寒い夜だが、その香りを楽しむために窓は開けておこう。

2番 (月明かりの夜の様子)

今夜は月夜である。障子に梅の花と枝がそのままに月影に写されている。香りも楽しみたいが、窓は開けないでこの墨絵を楽しむことにしよう。

こんなところでしょうか、味わい深い歌詞ですね。

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