秋のあわれ

童謡・唱歌

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作詞:鳥居 忱(とりい・まこと)
作曲:セザール・マラン(César Malan)
発表:明治34年(1901年)ごろ

「秋のあわれ」は、スイスの宗教家・音楽家セザール・マランの讃美歌の旋律に、明治期の作詞家・教育者である鳥居忱が日本語の歌詞を付けた唱歌です。資料では、明治中期の唱歌として明治34年(1901年)に位置づけられています。

歌詞は「更け渡る秋の夜」を舞台に、庭で鳴く虫の音や、山に響く鹿の声を聞きながら、過ぎ去った昔をしのぶ寂しさを描いています。単なる秋の風景ではなく、秋の静けさの中に人生のはかなさや、過ぎた時代への郷愁を重ねているところが、この歌の大きな特徴です。

作詞者の鳥居忱は、明治期の代表的な作詞家・教育者で、東京音楽学校の教授も務めました。「箱根八里」など数多くの唱歌の作詞を手がけ、西洋音楽の旋律に日本的な情緒を持つ歌詞を結びつけた人物として知られています。

「秋のあわれ」の「あわれ」は、現代的な「かわいそう」という意味ではなく、秋の夜の静けさ、もの寂しさ、過ぎゆくものへの感慨を表す古典的な「もののあはれ」に近い意味です。虫や鹿の声を聞きながら、昔を思い、寂しさを深く感じる歌詞には、明治期の唱歌に見られる古風で格調高い文学的表現がよく表れています。

秋のあわれ


秋のあわれ    
作詞:鳥居 忱/作曲:マラン

1 
ふけ渡る 秋の夜
庭に鳴く 虫の音
萩原の 伏庵
さらぬだに この身は
旧にし世 忍ぶに
淋しさは 身に染む
淋しさよ 伏庵
淋しやな 秋の夜

2 
ふけ渡る 秋の夜
峰に鳴く 鹿の音
山陰の 伏庵
さらぬだに この身は
過にし世 忍ぶに
悲しさは 身に染む
悲しさよ 伏庵
悲しやな 秋の夜

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