作詞:大和田建樹
作曲:田村虎蔵
発表年:明治39年(1906年)
「妙義山」は、明治39年(1906年)に『高等小学唱歌』に掲載された唱歌です。作詞を大和田建樹、作曲を田村虎蔵が担当しました。資料によっては「明治唱歌」として紹介されることもありますが、明治39年刊行の『高等小学唱歌』に収められた作品です。
歌詞は、群馬県を代表する名勝・妙義山の険しく雄大な岩峰を描いています。冒頭の「峨峨たる巌 連りて、虚空に峙つ妙義山」という力強い表現からは、鋭くそびえ立つ妙義山の特徴的な山容が目に浮かびます。
さらに、夏にはホトトギスが若葉の蔭で鳴き、石門の上には白雲がたなびく様子が歌われます。一方、冬になると雪が降り積もり、岩や枯木までもが「花ぞ咲く」ように見えるという、四季折々の美しい自然が描かれています。歌詞には、妙義山の険しさだけでなく、その山を彩る植物や鳥、雲、雪など、豊かな自然へのまなざしが込められています。
作詞者の大和田建樹は、「鉄道唱歌」の作詞者としても知られています。作曲者の田村虎蔵は、明治期の唱歌教育を支え、「金太郎」「浦島太郎」などの作品でも知られる作曲家です。「妙義山」では、二人の作品によって、名勝を題材とした格調高い唱歌に仕上げられています。
明治時代には、鉄道の発達によって各地の名所が人々に広く知られるようになりました。妙義山もその一つで、明治18年(1885年)には信越線が横川駅まで開通し、鉄道の車窓から妙義山を眺めることができるようになりました。こうした時代背景の中で生まれた「妙義山」は、近代日本の唱歌が自然や名勝をどのように歌に取り入れたかを知るうえでも興味深い作品です。
妙義山
妙義山
作詞:大和田 建樹/作曲:田村 虎蔵
1
峨峨たる巌 連りて
虚空に峙つ 妙義山
夏来て聞けば 時鳥
麓の若葉の 蔭に鳴く
2
石門高く 白雲の
絶間に開くる 妙義山
冬来て見れば 降る雪に
巌も枯木も 花ぞ咲く

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