元の詩はドイツの詩人、ウィルヘルム・アレント(1864~1913)によるものです。
訳詞の「上田 敏」(1874~ 1916)は、日本の評論家、詩人、翻訳家で文学博士。
わすれな草
わすれな草 訳詞:上田 敏/作曲:信時 潔
流れの岸の 一本(ひともと)は
御空の色の 水浅葱(みずあさぎ)
波ことごとく 口づけし
はたことごとく 忘れゆく
水浅葱(みずあさぎ)= 「水色がかった浅葱色」のことで、緑がかった明るく薄い青色のこと。
「忘れな草」 名前の由来
ところで「忘れな草」はなぜその名が付けられたのでしょうか、それはウィルヘルム・アレントの母国であるドイツの悲しい伝説が元になっています。
昔、騎士ルドルフはドナウ川の岸辺に咲く花を、恋人ベルタのために摘もうと岸を降りました。ところが足を滑らせて川に落ちてしまいます。しかし彼は最後の力をふりしぼって手につかんだ花を、彼女に向かってこう叫びながら投げました。
「Vergiss-mein-nicht」(僕を忘れないで)残された恋人ベルタはルドルフの墓にその花を供え、彼の最期の言葉を花の名にしたのです。この伝説から、忘れな草はドイツでは「Vergiss-mein-nicht」と呼び、英語も直訳の「 Forget-me-not」です。花言葉の「真実の愛」「私を忘れないで下さい」も、この伝説に由来するものです。
日本では明治時代に植物学者の川上滝弥によって、「勿忘草」「忘れな草」と訳されました。
(参考資料:Wikipedia ワスレナグサ)
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