「海」は、明治から大正、昭和にかけて広く歌われた文部省唱歌の一つです。1910年(明治43年)に刊行された尋常小学読本唱歌に掲載され、子どもたちに親しまれてきました。
歌詞は、「松原遠く消ゆるところ」から始まり、広々とした海の景色を描いています。遠くまで続く水平線、白い帆を掲げて進む船、そして夕日に照らされる海など、海辺の雄大で美しい風景が簡潔な言葉で表現されています。
旋律はゆったりとして伸びやかで、広大な海を思わせる開放感があります。特に、長く伸ばす音や穏やかな旋律の流れが、波が静かに寄せては返すような印象を与えます。
この曲は、単に海の風景を歌うだけでなく、日本の自然の美しさや雄大さを感じさせる唱歌として、長く歌い継がれてきました。現在でも学校唱歌や童謡・唱歌の代表的な作品の一つとして知られ、夏の海を思い浮かべながら歌える親しみ深い一曲です。
海(文部省唱歌
うた
演奏
海 文部省唱歌
1
松原遠く 消ゆるところ
白帆の影は 浮かぶ
干網浜に 高くして
鷗は低く 波に飛ぶ
見よ昼の海 見よ昼の海
2
島山闇に 著きあたり
漁火 光淡し
寄る波岸に 緩くして
浦風軽く 沙吹く
見よ夜の海 見よ夜の海
消ゆる ⇒ 消える・なくなること
著き(しるき) ⇒ 明白なこと・しっかりしていること
島山闇に著きあたり ⇒ 夜の暗闇でも、島や山がはっきりと分かるようす
漁火(いさりび)⇒ 魚を誘い寄せるために夜間、漁船でたく火
緩く ⇒ この歌詞の場合は「激しくない、勢いが弱い」といったことでしょう。
浦風(うらかぜ)⇒ 海辺を吹く風、浜風のこと
沙(いさご)⇒ 砂のこと

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