作詞:片桐顕智
作曲:不詳
発表・掲載:1942年(昭和17年)
掲載教科書:国民学校初等科第三学年用『初等科音楽(一)』
「梅の花」は、片桐顕智(かたぎり・けんち)が作詞した唱歌です。歌い出しは「学校がえりに近道を 通って来ればどこからか ほんのりにおう梅の花」。学校からの帰り道、いつもの道を少し近道して歩いていると、どこからともなく梅の花の香りが漂ってくるという、早春の情景を描いた作品です。
この歌は、1942年(昭和17年)に文部省が発行した国民学校初等科第三学年用の国定教科書『初等科音楽(一)』に掲載されました。同教科書には「春の小川」「鯉のぼり」「村祭」「野菊」「手まり歌」などとともに「梅の花」が収録されています。
歌の魅力は、子どもの身近な生活の中にある小さな春の発見を題材にしているところです。学校帰りの道という日常的な場面に、梅の花の「香り」を取り入れることで、目で見るだけではなく、香りによって春の訪れを感じる情景が表現されています。
梅は、まだ寒さの残る時期に花を咲かせることから、古くから春を告げる花として親しまれてきました。この歌でも、冬から春へ移り変わる季節の気配を、子どもの素朴な感覚を通して描いています。
「梅の花」は、戦時中の国民学校で使われた音楽教材の一つですが、軍事的な内容を前面に出した歌とは異なり、学校帰りの子どもと自然との触れ合いを題材にした、穏やかな作品として見ることができます。現在ではあまり歌われる機会がありませんが、昭和の国民学校時代の唱歌を知るうえでも興味深い一曲です。
梅の花
梅の花 作詞:片桐顕智 作曲者不詳
1
学校がえりに 近道を
通って来れば どこからか
ほんのりにおう 梅の花
2
見ればちらほら 枝さきに
においもきよく 咲きそめた
明るく白い 梅の花

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