燕(つばめ)(文部省唱歌)

童謡・唱歌

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作詞・作曲:文部省唱歌(作者不詳)
発表年:1932年(昭和7年)

「燕(つばめ)」は、昭和7年(1932年)4月6日に刊行された文部省の『新訂尋常小学唱歌』第三学年用に掲載された唱歌です。同教材には「春が來た」「木の芽」「茶摘」「螢」「汽車」などとともに収められました。『新訂尋常小学唱歌』は、当時の小学校音楽教育で用いられた代表的な唱歌集です。

歌は、町のはずれの電線にとまる燕の姿から始まり、春の訪れを感じさせる情景を描いています。「つばくらめ」という古風な呼び名を用いることで、燕の姿に親しみと詩情を与えているのも特徴です。電線に並ぶ燕を眺めながら、その飛翔や鳴き声、春の明るい空気を感じ取ることができる作品です。

燕は日本では春を告げる鳥として古くから親しまれてきました。毎年春になると南方から日本へ渡ってきて、人家の軒先などに巣を作り、秋になると再び南へ渡っていきます。そのため、燕は「春の訪れ」や「季節の移り変わり」を象徴する鳥として、文学や俳句にも数多く登場します。

この歌では、身近な町の風景の中にいる燕を題材にすることで、子どもたちが自然の変化に目を向けるよう促しています。大げさな物語ではなく、電線にとまる一羽の燕を見つめるところから、季節の喜びや生命の躍動を感じさせるところに、この唱歌の魅力があります。

なお、『新訂尋常小学唱歌』に掲載された文部省唱歌は、原則として作詞者・作曲者を明記していないため、「燕」についても個人の作者名を確定することはできません。資料によっては、後年に作られた同名曲と混同される場合がありますので注意が必要です。

   燕(つばめ)

   文部省唱歌

1 
町のはずれの 電線に
友まちがおの つばくらめ
潮路はるばる 越えて来た
旅の仲間は 何処にいる
山は夕日が 赤く照る

2 
右に左に 身をかわし
餌をさがしゆく つばくらめ
家にのこした 子つばめは
母のかえりを 待っていよう
山で夕の 鐘が鳴る

ツバメと人間とは古い付き合いで、古来より深い信頼関係ができていたようです。というのは、ツバメは稲の害虫を食べてくれる益鳥として大切にされ、またツバメもそんな人間の事情を知ってか、農家などの中や軒先に巣を作って雛を育てていました。

つまり人間にとっては大切な稲を害虫から守る益鳥として、またツバメには雛をヘビやカラスなどから守ってくれる人間としてです。

私の家は農家でしたから玄関の中にツバメが巣を作って、子育てをしていました。夜は暗くなってツバメが帰っているのを確認してから戸を締め、朝は一番に玄関の戸を開けてやりました。ツバメは朝が早いから、明るくなる頃にはもう玄関内を飛び回って「早く開けてよ」と言っているようでした。

毎年決まって来ていましたから、同じツバメ、もしくはそこで巣立ったツバメが来ていたものでしょう。

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