作詞:百田宗治(ももた そうじ)
作曲:中山晋平(なかやま しんぺい)
発表年:1922年(大正11年)
「鳥籠」は、詩人・童謡作家の百田宗治が詞を書き、童謡の名曲を数多く生み出した中山晋平が曲をつけた作品です。資料では、1922年(大正11年)に発表された作品として童謡年表に掲載されています。また、中山晋平の『童謡小曲 第五集』にも収録されており、同曲集の初版は大正11年とされています。
歌詞は、春の日暮れに鳥籠を家の中へ入れてやる情景から始まります。李(すもも)の木の枝に銀色の月が差し、歌い疲れた頬白(ほおじろ)が「家が恋しい」と感じる――という、夕暮れの静かな場面が描かれています。
百田宗治の詩は、鳥を単なる愛玩動物としてではなく、夕暮れの中で家へ帰りたがる一つの生命として描いています。そのため、短い歌詞の中にも、春の夕暮れの美しさと、家へ帰る安心感、そしてどこか寂しげな情感が感じられます。
中山晋平の旋律も、この詩情に寄り添うような穏やかなものです。大正期の童謡らしい、子どものための歌でありながら、大人にも懐かしさや哀愁を感じさせる作品となっています。
鳥 籠
鳥 籠 作詞:百田 宗治/作曲:中山 晋平
春の日暮れた 鳥籠を
お家へ入れて やりましょう
すもも林の 木の枝に
しろがね色の 月がさす
うたいつかれた 頬白も
暮れりゃお家が 恋しかろ

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