船頭さん

童謡・唱歌

t f B! P L

「船頭さん」は、「武内俊子」作詞・「河村光陽」作曲による童謡です。1941年(昭和16年)に発表され、同年7月にキングレコードからレコードが発売されました。

歌は「村の渡しの船頭さんは」と始まり、村の人々を向こう岸へ渡す船頭さんの姿を描いています。年を重ねた船頭さんですが、船をこぐときには元気いっぱいで、櫓を力強く操ります。「ギッチラ、ギッチラ、ギッチラコ」という印象的な掛け声が、舟をこぐリズムを生き生きと伝えています。

二番では、雨の日にも岸から岸へ舟を渡し、牧場へ仔馬を運ぶ船頭さんが描かれます。そして三番では、きらきらと輝く川面の上を、船頭さんと村の人々がにこにこと舟で行き交う、のどかな風景が歌われています。

「船頭さん」が作られた1941年(昭和16年)は太平洋戦争開戦の年で、当初の二番・三番には戦時色の強い歌詞が含まれていました。戦後になると、峰田明彦によって歌詞が改作され、戦争を連想させる内容から、村の暮らしや人々の交流を描く穏やかな歌へと変わりました。現在広く知られているのは、この戦後改訂版です。

河村光陽は、「うれしいひなまつり」「かもめの水兵さん」「赤い帽子白い帽子」「りんごのひとりごと」など、数多くの童謡を残した作曲家です。「船頭さん」でも、覚えやすく親しみやすい旋律と「ギッチラ、ギッチラ、ギッチラコ」というリズミカルな言葉を組み合わせ、子どもたちに親しまれる作品に仕上げています。

末尾に変更前(戦時歌謡)の歌詞を掲載しておきます。

船頭さん


うた

演奏
 
船頭さん 作詞:武内 俊子/作曲:河村 光陽

1 
村の渡しの 船頭さんは
今年六十の お爺さん
年はとっても お船を漕ぐ時は
元気いっぱい 櫓がしなる
ソレ ギッチラギッチラ ギッチラコ

2 
雨の降る日も 岸から岸へ
濡れて船漕ぐ お爺さん
今朝もかわいい 仔馬を二匹
向う牧場へ 乗せてった
ソレ ギッチラギッチラ ギッチラコ

3 
川はきらきら さざなみ小波
渡すにこにこ お爺さん
みんなにこにこ ゆれゆれ渡る
どうも御苦労さんと いって渡る
ソレ ギッチラギッチラ ギッチラコ

(上記戦後改訂版)

(下記改訂前)

2 
雨の降る日も 岸から岸へ
濡れて船漕ぐ お爺さん
今日も渡しで お馬が通る
あれは戦地へ 行くお馬
ソレ ギッチラギッチラ ギッチラコ

3 
村の御用や お国の御用
みんな急ぎの 人ばかり
西へ東へ 船頭さんは
休むひまなく 船をこぐ
ソレ ギッチラギッチラ ギッチラコ

QooQ