作詞:野口雨情
作曲:中山晋平
発表年:1921年(大正10年)
「船頭小唄」は、野口雨情が作詞し、中山晋平が作曲した、大正時代を代表する流行歌です。1921年(大正10年)に「枯れすすき」として作詞、作曲され、翌年に「船頭小唄」として発表されています。
歌詞は、河原の枯れすすきに自分たち二人の境遇を重ね、「花の咲かない枯れすすき」と人生の寂しさや哀しみを表現しています。舞台となっているのは利根川の水郷地帯で、船頭として生きていこうとする男女の姿が描かれています。潮来出島の月や枯れた真菰など、水辺の風景を取り入れた雨情独特の郷土色豊かな詞が印象的です。
曲は中山晋平による哀愁を帯びた旋律で、野口雨情の素朴で切ない言葉とよく調和しています。二人の境遇を「枯れすすき」にたとえた歌詞には、貧しさや不遇の中でも寄り添って生きようとする人々の心情が込められています。
「船頭小唄」は発表後に広く歌われ、1923年(大正12年)には松竹によって映画化されるなど、大きな流行となりました。またこの歌の大流行中に「関東大震災」(1923年9月1日)が起こっています。
昭和中頃には俳優・歌手の「森繁久彌」が彼独特の歌い方でヒットしています。
野口雨情と中山晋平は、「船頭小唄」のほかにも多くの作品を生み出し、大正期の日本の流行歌や童謡の発展に大きな影響を与えました。
現在でも「おれは河原の枯れすすき」という印象的な歌い出しとともに知られ、大正期の人々が感じていた人生の哀愁や、故郷の風景への思いを伝える名曲として歌い継がれています。
船頭小唄
船頭小唄 作詞:野口 雨情/作曲:中山 晋平
1
俺は河原の 枯れすすき
おなじお前も 枯れすすき
どうせ二人は この世では
花の咲かない 枯れすすき
2
死ぬも生きるも ねえお前
水の流れに 何変わろ
俺もお前も 利根川の
船の船頭で 暮らそうよ
3
枯れた真菰に 照らしてる
潮来出島の お月さん
わたしゃこれから 利根川の
船の船頭で 暮らすのよ
4
なぜに冷たい 吹く風か
枯れたすすきの 二人ゆえ
熱い涙の 出たときは
汲んでおくれよ お月さん
5
どうせ二人は この世では
花の咲かない 枯れすすき
水を枕に 利根川の
船の船頭で 暮らそうよ

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