作詞:海野 厚(うんの あつし)
作曲:中山晋平(なかやま しんぺい)
発表:1923年(大正12年)
「背くらべ」は、子どもの成長と端午の節句の情景を描いた、親しみ深い日本の童謡です。1923年(大正12年)に発表されました。作詞は海野厚、作曲は「しゃぼん玉」などでも知られる中山晋平です。
歌の冒頭では、柱につけられた身長の印を見ながら、兄に背の高さを測ってもらった思い出が描かれています。「五月五日」「ちまき」など、端午の節句の風習も登場し、昔の家庭の温かな雰囲気が伝わってきます。
後半では、視点が人間から山へと移り、雲の上まで顔を出して背比べをしているように見える山々の中でも、雪をかぶった富士山がやはり一番高いと歌われます。子どもの身長の伸びと富士山の高さを「背くらべ」という一つの言葉で結びつけた、ユーモラスで印象的な表現です。
作詞者の海野厚は静岡市出身で、弟や妹のいる家庭で育ちました。「背くらべ」の詩には、離れて暮らす弟たちへの思いが込められていたとも考えられており、単なる子どもの成長の歌だけではなく、兄弟への愛情や懐かしい故郷への思いを感じさせる作品でもあります。
「背くらべ」は、端午の節句、兄弟の思い出、子どもの成長、そして富士山という日本の風景を一つの歌にまとめた、明るく温かな童謡です。
背くらべ
うた
背くらべ 作詞:海野 厚/作曲:中山 晋平
1
柱のきずは おととしの
五月五日の 背(せい)くらべ
粽(ちまき)たべたべ 兄さんが
計ってくれた 背のた
きのうくらべりゃ 何のこと
やっと羽織の 紐(ひも)のたけ
2
柱に凭(もた)れりゃ すぐ見える
遠いお山も 背くらべ
雲の上まで 顔だして
てんでに背伸び していても
雪の帽子を ぬいでさえ
一はやっぱり 富士の山
現在の家には「柱」が見えること自体が珍しくなってきましたね、みんな壁の中に入ってしまいました。
私は雪国の田舎の農家で育ったものですから、家の中には太い柱が何本もありました。その柱にこの歌をまねて妹と背丈の印を付けたものです。

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