「三才女」は、明治43年(1910年)7月に刊行された『尋常小学読本唱歌』に掲載された文部省唱歌です。作詞は国文学者の芳賀矢一、作曲は岡野貞一とされています。
(ただし、作詞者については石原和三郎とする説もあります。)
題名の「三才女」とは、古典文学の世界で活躍した三人の女性歌人を指しています。歌詞では、紀貫之の女(むすめ)、小式部内侍、伊勢大輔の三人が取り上げられ、それぞれの和歌や故事をもとに、その才能と名声をたたえています。
第一節では、紀貫之の娘「紀内侍(きのないし)」が詠んだ歌、第二節では和泉式部の娘である「小式部内侍(こしきぶのないし)」、第三節では「伊勢大輔(いせのたいふ)」の詠んだ歌が題材となっています。
芳賀矢一は、これら三人の女性歌人を一つの歌にまとめ「三才女」とし、古典文学の知識を背景にした格調高い歌詞が特徴となっています。
三才女
三 才 女
作詞:芳賀 矢一/作曲:岡野 貞一
1
色香も深き 紅梅の
枝にむすびて 勅なれば
いともかしこし 鶯の
問わば如何にと 雲居まで
聞え上げたる 言の葉は
幾代の春か かおるらん
2
みすのうちより 宮人の
袖引止めて 大江山
いく野の道の 遠ければ
ふみ見ずといいし 言の葉は
天の橋立 末かけて
後の世永く 朽ちざらん
3
后の宮の 仰言
御声のもとに 古の
奈良の都の 八重桜
今日九重に においぬと
つこうまつりし 言の葉の
花は千歳も 散らざらん

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