作詞:中村秋香(なかむら しゅうこう)
作曲:小山作之助(こやま さくのすけ)
発表:明治33年(1900年)
「漁業の歌」は、明治時代の国文学者・歌人である中村秋香が作詞し、唱歌教育に大きな功績を残した作曲家・教育者の小山作之助が作曲した唱歌です。
この曲は明治33年(1900年)に刊行された『新撰国民唱歌』に収められたのが初出とされ、『新撰国民唱歌』第三集には「漁業の歌」が収録されています。当時の日本の産業や国民生活を題材とした唱歌の一つでした。
「漁業の歌」は、広々とした海原を舞台に、漁船が海へ繰り出し、豊かな漁獲を得る喜びを力強く歌った作品です。
冒頭の「見渡すかぎり遥々と」という言葉から、どこまでも続く大海原の雄大な景色が目に浮かびます。その海を埋め尽くすように漁船が行き交い、漁を終えた人々の喜びの声が海上に響き渡ります。
歌詞には「海を動かし」「波ひるがえる」といった躍動的な表現が用いられ、漁業に携わる人々の勇ましい姿と自然の中で力強く働く喜びが描かれ、また、小山作之助の音楽も歌詞の内容に合わせて、勢いと力強さを感じさせる旋律となっています。
明治期には、農業・工業・漁業など、日本の産業や勤労を題材とした唱歌が数多く作られました。「漁業の歌」もその一つで、海に生きる人々の仕事を讃え、漁業の盛んな日本の姿を力強く表現した唱歌となっています。
漁業の歌
漁業の歌
作詞:中村 秋香/作曲:小山 作之助
1
見渡すかぎり 遥々(はるばる)と
海原うずむ 漁業船
獲物を祝(いお)う 声々は
天を揺(ゆす)りて 空かきくもり
海を動(ゆるが)し 波ひるがえる
あな ここちよや 勇しや
2
見渡すかぎり はてもなく
浜辺に築く 魚(うお)の山
この山こそは わが国の
富国の礎(いしずえ) 利民(りみん)の基(もとい)
茂木立木(しげきたちき)の 何たぐいぞは
あな とうとしや めでたしや

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