名月赤城山

流行歌・民謡・古謡

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作詞:矢島寵児
作曲:菊地博
歌:東海林太郎
発表年:1939年(昭和14年)

「男ごころに 男が惚れて」で始まる「名月赤城山」は、国定忠治を題材にした股旅物の歌謡曲です。国定忠治は江戸時代後期に赤城山周辺を舞台に活躍した侠客として、講談や芝居などで広く知られていました。

澄み渡った夜空に浮かぶ満月、遠くから聞こえる横笛、散っていく落葉、そして群れを離れて飛ぶ雁――。こうした情景を重ねることで、華やかな侠客の世界ではなく、落ち目となった男の孤独と哀愁がしみじみと表現されています。

特に「いつか落目の三度笠」「悟る草鞋に散る落葉」という部分には、かつての勢いを失い、旅へと流れていく男の寂しさが象徴的に描かれています。最後には「明日はいずこのねぐらやら」と歌われ、安住の地を持たない旅人の悲哀へと結ばれます。

「東海林太郎」は1933年(昭和8年)に歌手としてデビューし、翌1934年の「赤城の子守唄」で大きな成功を収めました。その後、「旅笠道中」など股旅物のヒットを重ね、「名月赤城山」もその流れを代表する一曲となりました。

「美空ひばり」「ちあきなおみ」など多くの歌手にも歌い継がれ、現在では「島津亜
矢」が見事に歌いこなしていることは、演歌好きの方ならご承知のことでしょう。

名月赤城山


名月赤城山   
作詞:矢島 寵児/作曲:菊池 博

1 
男ごころに 男が惚れて
意気が融け合う 赤城山
澄んだ夜空の まんまる月に
浮世横笛 誰が吹く

2 
意地の筋金 度胸のよさも
いつか落目の 三度笠
云われまいぞえ やくざの果と
悟る草鞋に 散る落葉

3 
渡る雁がね 乱れて啼いて
明日は何処の 塒やら
心しみじみ 吹く横笛に
またも騒ぐか 夜半の風

雁がね(雁が音)とは、元は雁(がん・かり)の鳴き声を表していましたが、いつしか雁が飛んでいる群れ、雁そのものを指すようになりました。

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