「さくらさくら」は、日本を代表する伝統的な歌曲の一つで、満開の桜の美しさを歌った作品です。現在では日本の春や桜を象徴する曲として広く知られ、海外でも「日本の音楽」を代表する旋律として親しまれており、国際的な場面でも演奏されたり歌われることも多いそうです。
もともとは、江戸時代から伝わる箏(こと)の曲に由来すると考えられています。明治時代に入ると、学校教育のための音楽として取り上げられ、現在よく知られている歌詞と旋律が広く普及しました。歌詞の「さくら
さくら やよいの空は」という冒頭は、春の空の下に一面に咲き誇る桜の情景を描いています。
旋律には、日本の伝統音楽らしい五音音階が用いられており、西洋音楽とは異なる独特の響きがあります。特に、短い音域の中で繰り返される素朴な旋律には、日本的な美意識である「簡素さ」や「余情」が感じられます。
また、この曲の桜は単なる花の美しさだけではなく、春の訪れを知らせる象徴としても捉えることができます。華やかに咲き誇る一方で、やがて散っていく桜には、日本人が古くから感じてきたもののあわれや、移ろいゆく季節への思いも重ねられているのです。
演奏や歌唱では、華やかさを強調しすぎず、旋律の素朴さと日本的な情緒を大切にすると、この曲の持つ美しさがよりよく表現できます。桜の花が静かに春の空を彩るような、穏やかで気品のある表現がふさわしい作品です。
さくらさくら
うた
演奏
さくらさくら (昭和16年改変)
さくら さくら
野山も里も 見わたす限り
かすみか雲か 朝日ににおう
さくら さくら 花ざかり
江戸時代からの歌詞
さくら さくら
弥生の空は 見渡すかぎり
霞か雲か 匂いぞ出ずる
いざや いざや 見にゆかん
(昭和16年改変の歌詞を1番、江戸時代からの歌詞を2番として扱っていることもあります)
なぜ歌詞が変えられたのか
国民学校音楽教科書に収載の際の改変の理由については、「古謡は、可成り語句がむづかしく、この程度の児童には難解である為、その精神を採り入れて、替歌としたものである。」(国民学校芸能科音楽2年うたの本教師用書)と説明が付されています。
出典元 : レファレンス協同データベース

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