詩人、童謡作家の「三木露風」が1921年(大正10年)に「樫の木」という雑誌に発表した詩に、1927年(昭和2年)、山田耕筰が曲を付けた童謡で、1989年(平成元年)には「あなたが選ぶ日本のうた・ふるさとのうた」で第一位に選ばれています。また2003年(平成15年)には「日本童謡の会」のアンケートで第1位に選ばれるなど、日本の代表的な童謡となっています。
赤とんぼ
うた
演奏
赤とんぼ 作詞 : 三木 露風/作曲 : 山田 耕筰
1
夕焼小焼の 赤とんぼ
負われて見たのは いつの日か
2
山の畑の 桑の実を
小籠に摘んだは まぼろしか
3
十五で姐やは 嫁に行き
お里のたよりも 絶えはてた
4
夕焼小焼の 赤とんぼ
とまっているよ 竿の先
姐や
この場合は子守の女中さんを表しています。
桑の実
絹を作るために飼われていた「蚕(カイコ)」の餌として、その葉 を取るために日本各地で栽培されていた桑の木になる果実です。
色の黒いのが熟したもので、赤いのは未熟です。この桑の実(桑イチゴ)も甘くておいしいですよ、ジャムにする人もあります。ただしこの桑イチゴは木から取るときや食べるときに注意が必要です。それはこの果汁が濃い紫色で口や手、服につくと容易に落ちません、子供のころはそれで困った思いをしたものです。
赤とんぼ について
赤いトンボはみな赤とんぼ、といっても間違いではないでしょうが「アキアカネ」が代表的な種類です。他の赤からオレンジ色のトンボには「ナツアカネ」や「ショウジョウトンボ」などがあります。
アキアカネは避暑に行く
一般的にトンボは、羽化したばかりの未成熟成虫では水辺を離れて生活することが多いが、アキアカネについてはこの移動距離が非常に長くなります。アキアカネは暑さに弱いことから平地と高地の長距離移動を行うトンボで、その距離は他のトンボと比べて極めて長距離であることがよく知られています。
5~6月ころに羽化し、しばらくはその近辺で体力を付けるために活動し、体力の付いたアキアカネは涼しい高地を求めて、数10kmからときには100km以上も移動するそうです。そこで7~8月の暑い時期を過ごし、平地が涼しくなる9~10月頃に戻ってきて、池や水田などに産卵して命を次の世代につないでその一生を閉じます。
避暑に出かけるときにはまだ弱々しいオレンジ色の体も、秋に帰って来たときには力強いあの赤色になっています。私は夏に奥日光の高所でアキアカネの大群に出会ったことがあります、そのおびただしい数にびっくりしたものです。
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