おうち忘れて

童謡・唱歌

t f B! P L

作詞:鹿島鳴秋(かしま めいしゅう)
作曲:弘田龍太郎(ひろた りゅうたろう)
発表年:1922年(大正11年)頃とされる

「おうち忘れて」は、鹿島鳴秋が作詞し、弘田龍太郎が作曲した、情緒豊かな童謡です。鹿島鳴秋は1891年(明治24年)に東京・深川に生まれた童謡詩人で、大正時代に『少女号』などの雑誌を中心に童謡を発表しました。代表作には「浜千鳥」「金魚の昼寝」「お山のお猿」などがあり、「おうち忘れて」もその代表的な作品の一つです。

歌では、広い麦畑の中で家を忘れてしまった子ひばりが、母鳥を探して鳴いています。しかし、母鳥は見つからず、聞こえてくるのは風に揺れる麦の音ばかり。やがて夕暮れとなり、ひばりはひとり寂しく月明かりの下に取り残されます。

「子ひばり」という愛らしい存在を描きながら、その姿には「迷子」「母を慕う心」「夕暮れの寂しさ」が重ねられています。広い麦畑と風に揺れる麦、そして静かな月明かりという情景が印象的で、鹿島鳴秋らしい抒情的な童謡となっています。

作曲を担当した弘田龍太郎は、鹿島鳴秋の作品を数多く手がけており、「浜千鳥」「金魚の昼寝」「お山のお猿」なども二人の組み合わせによる作品です。

「おうち忘れて」は、子どもの目線から描かれた小さな物語の中に、親を慕う心と夕暮れのもの寂しさを感じさせる、しみじみとした名作童謡です。

おうち忘れて



おうち忘れて   
作詞:鹿島 鳴秋/作曲:弘田 龍太郎

1 
おうち忘れた 子ひばりは
広い畑の 麦の中
母さんたずねて 啼いたけど
風に穂麦が 鳴るばかり

2 
おうち忘れた まよいごの
ひばりはひとり 麦の中
お山の狐は なかぬけど
暮れてさみしい 月あかり

QooQ