作詞:野口雨情(1882~1945)
作曲:本居長世(1885~1945)
発表・刊行:1924年(大正13年)
「お人形さんの夢」は、童謡詩人・野口雨情の詩に、作曲家・本居長世が曲を付けた作品です。1924年(大正13年)11月、金の星社から『金の星童謡曲譜 第7輯』として刊行されたことが確認されています。
歌詞では、「お人形さん」の昔の家が、ガラスの窓のある家で、庭には鳳仙花が一面に咲いていたと描かれています。そして人形は今でも、かつての家や鳳仙花の夢を見るという、どこか懐かしく幻想的な世界が表現されています。
雨情は、人形を単なる子どもの玩具としてではなく、過去の記憶を持ち、夢を見る存在として描いています。そのため、かわいらしさだけではなく、失われたものへの郷愁や、静かな寂しさが感じられる作品となっています。
本居長世の音楽も、この詩の雰囲気を生かしたものです。明るさの中に一抹の寂しさを感じさせる旋律によって、人形が遠い昔を思い出しているような情景が浮かび上がります。野口雨情と本居長世の組み合わせは、「赤い靴」「七つの子」「青い眼の人形」「十五夜お月さん」などにも見られ、大正期の童謡文化を代表する組み合わせの一つです。
「お人形さんの夢」は、子どものための童謡でありながら、古い記憶や故郷への思いを感じさせる、しっとりとした作品です。ガラス窓と鳳仙花という印象的な情景を通して、夢の中に残る遠い過去を描いたところに、この歌の大きな魅力があります。
お人形さんの夢
歌
演奏
お人形さんの夢 作詞:野口 雨情/作曲:本居 長世
お人形さんの 昔のお家は
ガラスのお窓
鳳仙花が 一杯お庭に
咲いていた
お人形さんは 今でも鳳仙花の
夢を見る
お人形さんは ガラスのお窓の
夢を見る

0 件のコメント:
コメントを投稿