納 涼(文部省唱歌)

童謡・唱歌

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作詞:不詳
作曲:不詳
発表年:1913年(大正2年)

「納涼(のうりょう)」は、1913年(大正2年)5月に文部省が刊行した『尋常小学唱歌 第五学年用』に収録された文部省唱歌です。歌い出しは「一日の汗を湯浴に流し」で、暑い夏の日の夕暮れに、家族が涼を求めて過ごす穏やかな情景が描かれています。

歌詞では、夕顔棚の下に家族が集まり、蚊遣りの煙が軒端を包み、緑の葉越しに涼しい月影が差すという、昔の日本の夏の暮らしが描かれます。「納涼」は、単に暑さを避けるだけではなく、親子や家族が一つのむしろに集まり、心を通わせながら夕涼みを楽しむ時間として表現されています。

特に「夕顔棚」「蚊遣り」「月影」といった言葉からは、エアコンなどのない時代に、人々が自然の風や月明かりを利用して暑さをしのいでいた生活が伝わってきます。静かな夏の夜と家族団らんを題材にした、明治末から大正期の日本の暮らしを感じさせる唱歌です。

納 涼(文部省唱歌)

納 涼    文部省唱歌

1   
 一日(ひとひ)の汗を 湯浴(ゆあみ)に流し
夕顔棚に 下陰(したかげ)占めて
親子同胞(おやこはらから) ひとつむしろに
心をおかぬ むつび語り
むつび語り たのしや

2  
蚊遣(かやり)のけむり 軒端をこめて
緑の葉ごし 月影涼し
裏の細道 節もおかしく
聞こゆる歌の 主は誰ぞ
主は誰ぞ ゆかしや

3  
見わたし遠き 青田の上を
小波たてて 吹来る夜風
風に流るる 螢火いくつ
月影うけて 消えつ 見えつ
消えつ 見えつ 涼しや

はらから(同胞) ⇒ 親を共有する人。仲間。
むつび(睦び) ⇒ 親しくすること。
蚊遣(かやり) ⇒ 火をつけた蚊取り線香を入れておく器。
ゆかしい(床しい) ⇒ なんとなく懐かしく感じられること。上品。奥ゆかしい。

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