ちんちん千鳥

童謡・唱歌

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作詞:北原白秋
作曲:成田為三
発表:1921年(大正10年)

「ちんちん千鳥」は、北原白秋の詩に成田為三が曲をつけた、1921年(大正10年)発表の童謡です。児童文学雑誌『赤い鳥』を中心に展開された、大正期の童謡運動を代表する作品の一つとして知られています。成田為三は『赤い鳥』の童謡作曲家として活躍し、北原白秋の作品にも数多く曲をつけました。

歌詞は、夜の川辺で鳴く千鳥の声を題材にしています。「ちんちん」と響く千鳥の鳴き声と、冷たい夜風、暗い川面、そして夜明けを迎える情景が描かれ、静かな夜の寂しさが印象的に表現されています。

特に「親無いか」「お寝らぬか」と千鳥に呼びかける部分には、白秋らしい繊細な感性が感じられます。単に鳥の鳴き声を描写しただけではなく、夜の中で鳴き続ける千鳥に、人間の孤独や哀愁を重ねているところが、この作品の大きな魅力です。

また、「ちんちん千鳥」には近衛秀麿が同じ白秋の詩に作曲した別の旋律もあり、二つの異なる曲が存在することでも知られています。現在一般に歌われる成田為三作曲版は、静かで美しい旋律によって、白秋の詩情をよく引き立てています。

大正時代の童謡が持っていた、子どものための歌でありながら、大人にも深い郷愁や哀感を感じさせる「ちんちん千鳥」。夜の静けさの中に響く千鳥の声を通して、孤独と夜明けの気配を描いた、美しい日本の童謡です。

ちんちん千鳥

ちんちん千鳥 作詞:北原 白秋/作曲:成田 為三

ちんちん千鳥の 啼く夜さは
啼く夜さは
硝子戸しめても まだ寒い
まだ寒い

ちんちん千鳥の 啼く声は
啼く声は
燈を消しても まだ消えぬ
まだ消えぬ

ちんちん千鳥は 親無いか
親無いか
夜風に吹かれて 川の上
川の上

ちんちん千鳥よ お寝らぬか
お寝らぬか
夜明の明星が 早や白む
早や白む

お寝らぬ(御寝らぬ)= おしずまらぬ、およらぬ ⇒ 寝ない
お寝る(およる)=寝るの尊敬語で「おやすみになる」

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