庭の千草

童謡・唱歌

t f B! P L

「庭の千草」は、明治時代から広く親しまれてきた日本の唱歌の一つです。原曲はアイルランド民謡「The Last Rose of Summer(夏の名残のバラ)」で、日本では里見義(さとみ・ただし)が訳詞を手がけ、明治17年(1884年)に『小学唱歌集』に掲載されました。

歌詞では、秋の庭に咲く白菊を「庭の千草」として描き、夏の花々が姿を消した後も、ひっそりと咲き残る花の姿を歌っています。美しく咲く菊を眺めながら、過ぎ去った季節や、移り変わる自然への感慨が静かに込められています。

特に「庭の千草も 虫の音も 枯れて寂しくなりにけり」という情景には、秋の深まりとともに感じられる寂しさがよく表れています。一方で、白菊だけは変わらず咲いている姿が、もの静かな中にも凛とした美しさを感じさせます。

「庭の千草」は、華やかな花の美しさだけではなく、季節の移ろい、生命の儚さ、そして静かな心の情景を歌った作品です。素朴で美しい旋律と格調ある歌詞によって、長い年月を経た現在でも、日本の秋を代表する唱歌として愛唱されています。

 庭の千草


うた
                               


演奏
    

庭の千草     作詞: 里見 義/アイルランド民謡

1 
庭の千草も 虫の音も
枯れて淋しく なりにけり
あゝ白菊 あゝ白菊
ひとり遅れて 咲きにけり

2 
露にたわむや 菊の花
霜におごるや 菊の花
あゝ あわれあわれ あゝ白菊
人の操も かくてこそ 

日本での最初のタイトルは「菊」でしたが、冒頭の歌詞から「庭の千草」がいつしかそのまま曲名になり、広く親しまれるようになりました。

QooQ