「故郷の空」は、スコットランド民謡を原曲とする、日本で長く親しまれてきた唱歌です。原曲はスコットランドの詩人ロバート・バーンズの詩「Comin’ Thro’ the Rye(ライ麦畑を通り抜けて)」に曲を付けたもので、故郷を思う素朴な情感と、秋の夕暮れを思わせる美しい旋律が印象的な歌です。
日本では明治時代に紹介され、1888年(明治21年)に刊行された『明治唱歌』に掲載されました。日本語の歌詞は大和田建樹によるもので、原曲の内容をそのまま訳したものではなく、秋の夕暮れの空や雁の群れ、故郷を懐かしく思う心を描いた、日本独自の情景に仕上げられています。
「夕空晴れて、秋風吹き」という歌い出しからは、澄み渡った秋の空と爽やかな風が感じられます。続いて、雁が列をなして飛んでいく姿を眺めながら、故郷の空を思い浮かべる情景が描かれます。穏やかで美しい旋律と相まって、聴く人の心に懐かしさや郷愁を呼び起こす歌となっています。
「故郷の空」は、外国民謡をもとにしながら、日本人の季節感や故郷への思いを重ね合わせた作品です。明治以来、学校唱歌として広く歌われ、現在でも秋の歌、懐かしい唱歌として世代を超えて親しまれています。
故郷の空
うた
演奏
故郷の空
作詞: 大和田 建樹
スコットランド民謡
1
夕空晴れて 秋風吹き
月影落ちて 鈴虫鳴く
思えば遠し 故郷の空
ああ我が父母 いかにおわす
2
澄みゆく水に 秋萩垂れ
玉なす露は すすきに満つ
思えば似たり 故郷の野辺
ああわが兄弟 たれと遊ぶ
この歌はスコットランド民謡が元になっていますが、スコットランド特有のリズムを日本語に合うように修正されているそうです。また「麦畑」として、違う歌詞でも親しまれています。

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