冬景色

童謡・唱歌

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この「冬景色」は1913年の尋常小学唱歌教材第5学年用に掲載された文部省唱歌で、2006年には「日本の歌百選」にも選ばれています。 作詞・作曲者は明らかにされておらず、長く歌い継がれてきたことから、現在では日本の代表的な冬の唱歌の一つとして親しまれています。 

歌詞には、冬の寒さの中に広がる日本の風景が美しく描かれています。第一節では、雪や霜に覆われた野山や水辺の静かな景色、第二節では、冬の朝の冷たい空気や人々の暮らし、第三節では、夕暮れから夜にかけての冬景色が歌われます。自然の厳しさだけでなく、その中にある静けさや美しさが印象的です。

特に「さ霧消ゆる湊江の 舟に白し朝の霜」という冒頭の歌詞は、霧が晴れていく朝の港に、舟や水面が白い霜に包まれている情景を思い起こさせます。続く歌詞にも、炉辺の暖かさや冬の夕暮れなど、寒い季節の自然と人々の生活が織り込まれています。

旋律は穏やかで落ち着いた趣を持ち、歌詞の情景とよく調和しています。派手な動きはありませんが、静かな冬の朝、昼、夕暮れへと移り変わる景色を、しっとりと味わうことのできる曲です。

「冬景色」は、日本人が古くから親しんできた四季の美しさ、とりわけ冬の静寂と暮らしの温もりを感じさせる唱歌です。今も学校教育や合唱、童謡・唱歌の演奏会などで歌われ、日本の原風景を伝える歌として愛されています。

冬景色


うた
                                


演奏

冬景色   作詞・作曲者:不詳

1 
さ霧消ゆる 湊江の
舟に白し 朝の霜
ただ水鳥の 声はして
いまだ覚めず 岸の家

2 
烏啼きて 木に高く
人は畑に 麦を踏む
げに小春日の のどけしや
かえり咲の 花も見ゆ

3 
嵐吹きて 雲は落ち
時雨降りて 日は暮れぬ
若し燈火の 漏れ来ずば
それと分かじ 野辺の里

歌詞の意味

さ霧 ⇒ 霧のことで、「さ」は接頭語です。(お話の「お」などと同じ)
湊江 ⇒ 海や湖が陸地にはいり込んでいるところで、港になっているところ 。
かえり咲 ⇒ 草木の花がその時季でないのに咲くこと。多くは春咲く花が、初冬の頃小春日和が続いた時などに再び咲くことをいう。二度咲き。狂い咲き。返り花。
(出典元:コトバンク)

意訳

1 
霧が消えた後の港の船は、朝の霜で真っ白になっている。
水鳥の鳴き声はするが、家々はまだ寝静まっている。

2 
畑で麦踏みをする木の上では、カラスが鳴いている。
小春日和のなんとのどかな事だろう。
この陽気に騙されて、時期でもないのに花が咲いている。

3     
嵐になって雲が低く垂れ込み、日暮れ前には時雨が降ってきた。
日暮れ時の悪天候でさらに暗くなり、家々の明かりが漏れてこなけ
れば集落があるとは 気付かないだろう。

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