作詞:川路柳虹(かわじ・りゅうこう)
作曲:草川信(くさかわ・しん)
発表年:不詳
「苗売り」は、詩人・川路柳虹の詞に、童謡・唱歌の作曲家として知られる草川信が曲をつけた歌曲です。
川路柳虹(1888~1959)は、近代日本の詩人として活躍した人物です。明治から昭和にかけて、自然や人々の暮らしを題材にした詩を数多く残しました。児童文学や童謡の分野でも作品を発表し、子どもの世界を身近な言葉で表現しています。
一方、草川信(1893~1948)は、「どこかで春が」「ゆりかごの歌」「夕焼小焼」など、今日でも親しまれている童謡を数多く作曲した作曲家です。川路柳虹の詩にも曲をつけており、「苗売り」もその一曲です。草川信の作品一覧にも、「苗売り」は川路柳虹作詞の作品として掲載されています。
「苗売り」という題名からも分かるように、歌の背景には、春の訪れとともに苗を売り歩く人の姿があります。苗を携えて町や村を歩き、人々に呼びかける「苗売り」の姿は、昔の日本の暮らしを感じさせる風景の一つです。
川路柳虹の詩情と草川信の親しみやすい旋律が組み合わされることで、季節の風景と庶民の暮らしが素朴に描かれた歌になっています。華やかな物語ではなく、日常の一場面を歌にしているところに、この時代の童謡らしい味わいがあります。
苗売り
苗売り 作詞:川路 柳虹/作曲:草川 信
並木の柳の 葉が揺れる
柳の葉っぱを ゆる風に
ことしもまた来た苗売りの
涼しい声が町から町へ
きゅうり とうがん へちまの苗
うす日のもれる 水菓子屋
青い葉っぱに 日がゆれる
ことしもまた来た苗売りは
八瀬の男か 鞍馬の男か
きゅうり とうがん へちまの苗

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