作詞:文部省唱歌(作詞者不詳)
作曲:信時潔
発表:1932年(昭和7年)
「森の歌」は、文部省が編纂した『新訂尋常小学唱歌 第六学年用』に収録された唱歌です。昭和7年(1932年)12月に発行された第六学年用の教科書に掲載され、自然豊かな森の情景を題材とした作品です。
この曲の作曲者は、近代日本を代表する作曲家の一人である信時潔です。信時潔は『新訂尋常小学唱歌』の編纂にも深く関わり、多くの新作唱歌の作曲を担当しました。「森の歌」もその一つで、信時潔ら東京音楽学校関係者によって整備された昭和初期の学校唱歌の一曲といえます。
『新訂尋常小学唱歌 第六学年用』には、「朧月夜」「我は海の子」「故郷」「雪」など、現在でもよく知られている唱歌とともに「森の歌」が収録されています。
「森の歌」は、森の静けさや木々の生命感など、自然の美しさを感じさせる題材を歌った作品です。高学年の児童を対象とした唱歌らしく、単純に子どもらしい遊びや生活を歌うだけでなく、自然を見つめ、その雄大さや美しさを感じ取ることを意識した作品になっています。
森の歌
森の歌 文部省唱歌
1
森の老木は こずえに幹に
神代ながらの 神秘をこめて
いとおごそかに 静まり立てり
ふしぎや木霊(こだま)は 木霊を呼びて
森のひめごと 語ると聞けば
あらず 木傳(こづた)う鳥の声
2
森の下道 たどりて行けば
しばし木の間の 暗さは晴れて
ふと見るかなた 泉はほがら
ふしぎや山姫 ほほえみ立ちて
水に姿を うつすと見れば
あらず ひともと百合の花
木霊(こだま)とは樹木に宿る精霊、木の精のこと。
山や谷で声や音が反響して聞こえてくる「山びこ」もこの精霊の仕業とされる。
木傳う(こづたう)⇒ 木を伝う(木から木へ移動する)こと。
ひともと ⇒ 1本

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