「森の小鳥」は、大和田建樹(おおわだ・たけき)作詞、ドイツ民謡による唱歌です。国立音楽大学の「童謡・唱歌索引」にも、大和田建樹の作品として収録されています。
歌詞は、「松吹く風の音も絶えて、のどかに霞む春の山」という静かな春の山の情景から始まります。山路の彼方へと帰っていく森の小鳥の姿を描きながら、歌い手はその小鳥を「別れぬ友」として眺め、故郷への思いを重ねています。
前半では、風の音もやみ、霞のかかる山、遠く続く山路など、春の夕暮れの穏やかな自然が描かれます。そして後半になると、「夕日の影」「峯」「谷の空」といった言葉によって、日が暮れていく寂しさが次第に深まります。森の小鳥がねぐらへ帰っていく姿は、故郷へ帰りたいという人の心を象徴しているようにも感じられます。
この曲は、明治37年(1904年)の『少年唱歌』に掲載された記録があり、のちに昭和4年(1929年)の『検定小学唱歌 第5学年』にも収録されています。外国民謡の素朴で親しみやすい旋律に、大和田建樹が日本の春の山と故郷への郷愁を感じさせる歌詞をつけたことで、日本の唱歌として長く親しまれてきました。
森の小鳥
森の小鳥 作詞:大和田 建樹/ドイツ民謡
1
松吹く風の 音も絶えて
のどかに霞む 春の山
山路は長し 麓は遠し
ねぐらに帰る 森の小鳥
いそがぬ歌は まだあれに
2
夕日の影は 峯に隠れ
静かに暮るる 谷の空
我家はいずこ 故郷はいずこ
うらやましきは 森の小鳥
別れぬ友と うち連れて

0 件のコメント:
コメントを投稿