島崎藤村の詩に弘田龍太郎が1925年(大正14年)に曲を付けました。
藤村は英語教師として1899年(明治32年)から6年ほど小諸で暮らしていましたが、その間の1890年(藤村29歳)の時に作った詩とされています。
小諸なる古城のほとり
小諸なる古城のほとり
作詞:島崎 藤村
作曲:弘田 龍太郎
小諸なる 古城のほとり
雲白く 遊子(ゆうし)悲しむ
緑なす 蘩蔞(はこべ)は萌えず
若草も 籍(し)くによしなし
しろがねの 衾(ふすま)の岡辺
日に溶けて 淡雪流る
あたたかき 光はあれど
野に満つる 香(かおり)も知らず
浅くのみ 春は霞みて
麦の色 わずかに青し
旅人の 群はいくつか
畠中の 道を急ぎぬ
暮行けば 浅間も見えず
歌哀し 佐久の草笛 歌哀し
千曲川 いざよう波の
岸近き 宿にのぼりつ
濁り酒 濁れる飲みて
草枕 しばし慰む
遊子 ⇒ 旅人のこと
籍く ⇒ 下に敷く・敷物。
若草も籍くによしなし ⇒ 若草が敷くほどもない、腰を下ろすほど伸びていない。
草枕 ⇒ (旅先で草で編んだ枕のことから)旅先でのわびしい思いを意味する。
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