作詞:北原白秋
作曲:草川信
初出:1921年(大正10年)9月『赤い鳥』第7巻第3号
収録:1922年(大正11年)6月15日『「赤い鳥」童謡 第六集』
『南の風の』は、北原白秋の詩情と草川信の美しい旋律によって生まれた童謡です。1921年(大正10年)9月発行の『赤い鳥』に発表され、翌1922年(大正11年)には『「赤い鳥」童謡 第六集』にも収録されました。
歌詞には、南から吹いてくる風、朱欒(ざぼん)の花の香り、夜空に輝く天の川や三つ星、四つ星、七つ星などが描かれています。南国の夜の情景が目に浮かぶような作品で、自然の美しさと子どもの眠りの世界がやさしく重ね合わされています。
特に、朱欒の花の香りに包まれながら星を数えているうちに、いつの間にか眠りにつくという場面には、白秋独特の繊細な感覚が感じられます。静かな夜の情景から、子どもの無邪気な眠りへと移っていく展開が印象的です。
「南の風の」という題名が象徴するように、この作品には南国の温暖な空気と、白秋が幼少期に親しんだ自然への深い記憶が感じられます。美しい自然の描写の中に、幼い日の記憶や郷愁をにじませた、北原白秋らしい抒情的な童謡といえるでしょう。
南の風の
南の風の 作詞:北原白秋/作曲:草川 信
南の風の吹くころは
朱欒(ザボン)の花がにおいます
朱欒の花の咲く夜さは
空には白い天の川
三つ星、 四つ星、 七つ星
数えていたれば、つい、眠むて
ついつい、とろりとねんねした
そのまま朝までねんねした
南の風の吹くころは
朱欒の花がにおいます

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