作曲:アイルランド民謡
訳詞:野上 彰
発表年:不詳
「ロンドンデリーの歌」は、アイルランド北部に伝わる美しい民謡「Londonderry Air(ロンドンデリー・エア)」を原曲とする世界的な愛唱歌です。19世紀半ばごろからアイルランドで知られていた旋律に、後世さまざまな歌詞が付けられました。
特に1913年、フレデリック・エドワード・ウェザリーがこの旋律に歌詞を合わせて発表した「Danny Boy(ダニー・ボーイ)」によって、世界的に広く知られるようになり、日本でも多くの訳詞・作詞が生まれています。
中でも「野上彰」による訳詞は、「ダニー・ボーイ」の内容を踏まえた、母と子の別れを描く情感豊かな歌詞として知られ、春の訪れやりんごの花を背景に、遠くへ旅立った我が子を思う母親の深い悲しみと愛情を歌ったものです。静かで美しい旋律と、わが子を待ち続ける母の切ない心情が重なり、聴く人の心に強い余韻を残します。
「野上彰」は詩人としても知られ、世界の歌の訳詞を数多く手がけており、「ロンドンデリーの歌」もその代表的な作品の一つです。
アイルランドの郷土的な旋律から生まれ、さまざまな言葉と物語をまといながら世界中で歌い継がれてきた「ロンドンデリーの歌」。その美しいメロディーは、故郷への思い、家族への愛、別れの悲しみといった普遍的な感情を静かに伝え続けています。
ロンドンデリーの歌
ロンドンデリーの歌
訳詞:野上 彰
アイルランド民謡
1
さえずる雲雀の声に ふたたび春はめぐる
月日を重ねてあつく 胸にあふれる涙よ
いとしく育みし我が子 ひととき帰りこよ
せめては幻となりて なつかしの母の夢に
2
りんごの花びらは春の 盛りを白く開く
その花摘みし我が子の 幼き面影いずこよ
黄泉路(よみじ)をつかさどる神よ ひととき返し給え
いくとせ嘆き深まる 悲しき母の胸に
日本語訳詞は他にも近藤玲二、津川主一などもありますが、著作権保護期間中のために掲載しません。

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