1918年(大正7年)戯曲「カルメン」の劇中歌として発表されました。

舞台で歌ったのは女優の「松井須磨子」です。共に芸術座を旗揚げ不倫関係にあった「島村抱月」が、当時流行していたスペイン風邪で急死すると、その2ヶ月後に33歳にならずして後追い自殺をしています。

遺書には「抱月と同じ墓に埋葬してほしい」と書いてあったが、その願いは叶うはずもなく、長野県の生家に埋葬されたということです。

恋の鳥



恋の鳥   
作詞:北原 白秋/作曲:中山 晋平

1   
捕らえて見れば その手から
小鳥は空へ 飛んでゆく
泣いても泣いても 泣ききれぬ
可愛いい可愛い 恋の鳥

2   
訪ねさがせば よう見えず
気にもかけねば すぐ見えて
夜も日も知らず 気まま鳥
来たり往(い)んだり 風の鳥

3   
捕らえよとすれば 飛んでゆく
逃げよとすれば 飛びすがり
好いた惚れたと 追っかける
翼 火の鳥 恋の鳥

4   
若しも翼を 擦り寄せて
離しゃせぬぞと なったなら
それこそあぶない 魔法鳥
恋しおそろし 恋の鳥

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