1918年(大正7年)芸術座のカルメン劇中歌として発表されました。歌詞は5番まであるそうですが、ここでは4番までとします。
歌詞に出てくる「花うばら」とは野ばらの花のことで、「花うばら」「野茨の花」「花いばら」とも言います。華やかな薔薇とちがって、初夏に香りのある白い五弁の小花を多数咲かせ、清楚な雰囲気の花です。
花園の恋
花園の恋
作詞:北原白秋/作曲:中山晋平
1
くるしき恋よ 花うばら
かなしき恋よ 花うばら
二人は逢いぬ しのびかに
震えて人目 はばかりぬ
2
くるしき恋よ 花うばら
かなしき恋よ 花うばら
二人は寄りぬ 今更に
震えて眼をば 見合せぬ
3
くるしき恋よ 花うばら
かなしき恋よ 花うばら
二人は泣きぬ たえだえに
震えて熱く 息づきぬ
4
くるしき恋よ 花うばら
かなしき恋よ 花うばら
二人は触れぬ おそろしく
震えて紅く 口吻(くちづ)けぬ
作曲の中山晋平と芸術座について
芸術座を旗揚げした「島村抱月」の書生だったことから、芸術座に参加し数々の劇中歌を作曲しています。その中でも特に「カチューシャの唄」は有名です。他にも多くの童謡や校歌、歌謡曲を作曲するなど日本を代表する作曲家の一人です。
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