「君恋し」は、昭和初期を代表する流行歌の一つです。作曲者の「佐々紅華」がこの曲を作ったのは大正11年(1922年)頃とされ、当初は「佐々紅華」自身が詞も付けていました。
その後、「二村定一」が歌うことになり、1928年(昭和3年)に「時雨音羽」によって新しい歌詞が作られ、現在よく知られている「宵闇せまれば」で始まる「君恋し」となりました。
美しい旋律に、夜の静けさや恋する人を思う切ない心情が重なり、当時の人々の心をとらえ、昭和初期の流行歌として大きな人気を集めました。
その後、1961年(昭和36年)にフランク永井がカバーすると、彼独特の甘い低音の魅力と都会的な歌唱によって再び大ヒットしました。この歌唱で「君恋し」は世代を超えて知られる昭和歌謡の名曲となり、第3回日本レコード大賞も受賞しています。
佐々紅華は浅草オペラにも深く関わった作曲家で、「君恋し」は彼の代表作の一つです。大正期に生まれた旋律が昭和初期に流行歌として花開き、さらに戦後になって新しい歌唱によって蘇った、長い生命を持つ名曲といえるでしょう。
尚、以下に記す歌詞は「佐々紅華」によるものです。
「時雨音羽」の歌詞は著作権保護期間中につき掲載しません。
君恋し
木枯らし吹きて 想いは深し
夕日は沈みて あわれを誘う
君恋し わが胸はもゆる
思えばいとしき 誰の姿よ
夕闇せまりて 星影あわし
み寺に光れば 楽(がく)の音(ね)ひびく
君恋し わが胸はもゆる
思えばいとしき 誰の姿よ
ふるさと離れて 遠く来しいま我れ
夜ごとに夢見て 在りし日の面影
君恋し わが胸はもゆる
思えばいとしき 誰の姿よ
(レコードから聞き取り出した歌詞なので、漢字使いなど原作とは違うかもしれません)

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