希望のささやき

外国民謡・讃美歌・歌曲

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訳詞:緒園涼子
作曲:アリス・ホーソン
原題:Whispering Hope
原曲発表:1868年(明治元年)

「希望のささやき」は、アメリカの作曲家「アリス・ホーソン(Alice Hawthorne)」の名で発表された「Whispering Hope」を、緒園涼子が日本語に訳した歌曲です。アリス・ホーソンは女性作曲家の名前のように思われますが、実際はセプティマス・ウィナー(Septimus Winner, 1827~1902)という男性作曲家の筆名でした。

原曲の「Whispering Hope」は1868年に発表された作品で、もともとはソプラノとアルトによる二重唱として作られました。その後、教会音楽やゴスペル・ソングとしても歌われるようになり、世界各地で親しまれる曲となりました。

原曲の歌詞には、暗闇や嵐のあとには光が訪れるという希望が描かれています。新約聖書『ヘブライ人への手紙』の「希望」をめぐる思想を背景とした内容で、苦しみの中にいる人に、やがて夜が明けることを静かに語りかける歌です。

緒園涼子の訳詞では、原曲にある宗教的な色彩を前面に出すのではなく、「希望」が人の心にそっと語りかける姿が美しく表現されています。「天つ御使いの言葉さながら、声もひそやかに希望ささやく」と始まり、闇や嵐の中にも明日の光を信じる心が歌われます。

特に印象的なのは、暗い夜がいつまでも続くのではなく、やがて朝の光が訪れるという考え方です。悲しみや苦しみの中にも幸せの種が潜んでいるという、前向きで温かなメッセージが、この曲の大きな魅力となっています。

日本では、緒園涼子のほかにも津川主一、二宮龍雄などによる日本語詞が存在し、さまざまな形で歌われてきました。緒園涼子訳の「希望のささやき」は、戦後の音楽教科書にも掲載され、合唱曲・愛唱歌として広く親しまれるようになりました。緒園訳の初出は、1953年(昭和28年)発行の『新版 中学生の音楽2年』とされています。

希望のささやき

希望のささやき  訳詞:緒園 涼子/作曲:アリス・ホーソン

天(あま)つ御使(みつか)いの 言葉さながら
声もひそやかに 希望ささやく
闇は四方(よも)にこめ 嵐(あらし)猛(たけ)れど
明日(あした)陽(ひ)はのぼり 風もなごまん
希望のあまき言葉
憂(うき)にも幸(さち)はひそむ

淡(あわ)き黄昏(たそがれ)に 真闇(まやみ)せまれば
暗き夜(よ)の空に 星はまたたく
いよよ更けゆきて 胸は痛めど
夜半(よわ)に忍びよる 朝の光よ
希望のあまき言葉
憂にも幸はひそむ

他にも「津川主一」訳詞もありますが、著作権保護期間中なので掲載していません。

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