雁(雁がわたる)(文部省唱歌)

童謡・唱歌

t f B! P L

「雁(かり)」は、1912年(明治45年)に刊行された『尋常小学唱歌 第三学年用』に掲載された文部省唱歌です。歌い出しの「雁がわたる」から、「雁がわたる」という呼び名でも親しまれています。作詞者・作曲者はともに不明とされています。

歌は、秋の夜空を鳴きながら渡っていく雁の群れを描いたものです。「月のさやかな秋の夜」に、雁が「棹になり、かぎになり」と隊列を変えながら空を渡っていく姿が、印象的に歌われています。「鳴くはなげきか喜びか」という表現には、雁の鳴き声に耳を傾け、その声にさまざまな思いを重ねる、昔ながらの日本人の自然観が感じられます。

後半では、雁が秋の田に降りてくる様子が描かれ、「連れは親子か友だちか」と、群れをつくって仲睦まじく行動する雁の姿を温かく眺めています。月夜、霜、秋の田、そして空を渡る雁という情景が一体となり、秋の静かな夜の風情を美しく表現した作品です。

雁(雁がわたる)

雁(雁がわたる)  文部省唱歌

1 
雁がわたる 鳴いてわたる
鳴くはなげきか 喜か
月のさやかな 秋の夜に
棹になり かぎになり
わたる雁 おもしろや

2 
雁がおりる 連れておりる
連は親子か 友だちか
霜の真白な 秋の田に
睦ましく 連れだちて
おりる雁 おもしろや

QooQ