落葉松(北原白秋)

童謡・唱歌

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作詞:北原白秋
作曲:長村金二
発表年:1936年(昭和11年)

「落葉松(からまつ)」は、詩人・北原白秋の詩に、作曲家・長村金二が曲をつけた作品です。1936年(昭和11年)にNHKの「国民歌謡」として全国放送され、その後も日本の抒情歌の一つとして親しまれてきました。日本放送協会から発行された「国民歌謡」第5輯にも収録されています。

歌詞は、落葉松の林を歩く旅人の姿を描きながら、自然の静けさと、人間の心に宿る寂しさを重ね合わせています。「からまつはさびしかりけり」「旅ゆくはさびしかりけり」という言葉に象徴されるように、森の風景は単なる自然描写ではなく、人生の孤独や旅の感慨を映す存在として描かれています。

霧雨の降る細い道、山風の通う林、遠くに煙を上げる浅間山など、北原白秋らしい繊細な自然描写が続きます。そして最後には、世の中のはかなさを感じながらも、その中に喜びを見いだす心境へと結ばれます。静かな寂しさだけではなく、自然とともに生きることへの深い感慨が込められた詩です。

作曲した長村金二は、NHKの前身である東京中央放送局などで活動した人物で、「落葉松」のほかにも北原白秋の詩による作品を手がけました。長村の音楽は、白秋の詩が持つ静寂と哀感を生かし、落葉松の林を歩くような穏やかな情景を感じさせます。

美しいメロディーの歌曲ですが、最近ではあまり演奏されることがないようです。同名の「落葉松」で「野上 彰」の詩に「小林秀雄」が曲を付けた歌もありますが、この曲は著作権保護期間中のために末尾に歌詞だけを掲載しています。

落葉松(からまつ)

落葉松  作詞:北原 白秋/作曲:長村 金二

1   
からまつの林を過ぎて
からまつをしみじみと見き
からまつはさびしかりけり
たびゆくはさびしかりけり

2   
からまつの林を出でて
からまつの林に入りぬ
からまつの林に入りて
 また細く道はつづけり

3   
からまつの林の奥も
わが通る道はありけり
霧雨のかかる道なり
山風のかよふ道なり

4   
からまつの林の道は
われのみか ひともかよひぬ
ほそぼそと通ふ道なり
さびさびといそぐ道なり

5   
からまつの林を過ぎて
ゆえしらず歩みひそめつ
からまつはさびしかりけり
からまつとささやきにけり

6   
からまつの林を出でて
浅間嶺にけぶり立つ見つ
浅間嶺にけぶり立つ見つ
からまつのそのまたうへに

7   
からまつの林の雨は
さびしけどいよよしづけし
かんこ鳥鳴けるのみなる
からまつの濡るるのみなる

8   
世の中よ あはれなりけり
常なけどうれしかりけり
山川に山がはの音
からまつにからまつのかぜ

「小林秀雄」の曲は著作権保護期間中ですが「野上 彰」の歌詞は著作権が切れていますので掲載しておきます。

落葉松       作詞:野上彰

落葉松の 秋の雨に
わたしの 手が濡れる

落葉松の 夜の雨に
わたしの 心が濡れる

落葉松の 陽のある雨に
わたしの 思い出が濡れる

落葉松の 小鳥の雨に
わたしの 乾いた眼が濡れる

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