作詞:野口雨情(のぐち うじょう)
作曲:本居長世(もとおり ながよ)
発表年:1921年(大正10年)
『別後』は、詩人・野口雨情の詞に、本居長世が曲をつけた歌曲です。1921年(大正10年)の作品とされ、この時期は野口雨情が民謡や童謡の創作に力を注いでいた時代にあたります。本居長世もまた、雨情の詞に数多くの曲をつけ、近代日本の童謡・歌曲の発展に大きな役割を果たしました。
「別後」という題名は、別れた後、つまり人との別離を意味します。雨情らしい簡潔で哀感のある言葉によって、別れの寂しさや、去ってしまった人を思う心が表現されています。華やかな恋愛を描くのではなく、別れの後に残される静かな悲しみを歌った作品といえるでしょう。
本居長世の曲は、雨情の詩が持つ素朴な情感を生かし、しみじみとした歌曲に仕上げています。二人は「七つの子」「青い眼の人形」などでも知られる組み合わせで、日本の童謡・歌曲の歴史に重要な足跡を残しました。『別後』もその代表的な協働作品の一つです。
別 後
別後 作詞:野口雨情/作曲:本居長世
逢ひはしませぬ
見もしませぬに
わしのこの村を
馬に乗って通った
馬も嘶(いなな)く
わたしも泣いた
逢はれないのに
逢ふ気で来てる

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