作詞:北原白秋(きたはら はくしゅう)
作曲:山田耕筰(やまだ こうさく)
発表年:1925年(大正14年)
「かえろかえろと」は、詩人・北原白秋と作曲家・山田耕筰の名コンビによって生まれた童謡です。1925年(大正14年)4月1日発行の雑誌『童話』第6巻第4号に発表されました。山田耕筰は同年2月24日に作曲しており、白秋の詩ができるとほどなく曲がつけられ、雑誌に発表されたと考えられています。
歌は「かえろかえろと」と繰り返しながら、夕暮れどきに家路へ向かう子どもたちの姿を描いています。寺の築地塀の影を見ながら帰る様子や、手を引き合いながらぽつりぽつりと歩く姿など、昔の日本の夕暮れの情景が目に浮かぶような作品です。
各節の終わりに登場する「かえるが鳴くからかぁえろ」という言葉には、子どもが家に帰る時間を知らせる昔ながらのわらべうたの響きがあります。山田耕筰はこの素朴な旋律を巧みに取り入れ、親しみやすく、口ずさみやすい曲に仕上げています。
なお、発表当初の題名は「かへろかへろと」でした。その後、童謡集『月と胡桃』などでは「かへろかへろ」とされるなど、題名や歌詞にはいくつかの異同があります。現在は「かえろかえろと」の題名で広く知られています。
かえろかえろと
かえろかえろと
作詞:北原 白秋/作曲:山田 耕筰
1
かえろかえろと なに見てかえる
寺の築地(ついじ)の 影を見い見いかえる
かえろがなくから かえろ
2
かえろかえろと だれだれかえる
お手々ひきひき ぽっつりぽっつりかえる
かえろがなくから かえろ
3
かえろかえろと なにしてかえる
ねぎのこぼうず たたきたたき かえる
かえろがなくから かえろ
4
かえろかえろと どこまでかえる
あかい灯のつく 三丁さきまでかえる
かえろがなくから かえろ
築地(ついじ)⇒ 柱を立て、板を芯として両側を土で塗り固め、その屋根を瓦で葺いた塀のことで、お寺や大きな屋敷の塀などにみられた。
ねぎのこぼうず(葱の小坊主)⇒ ネギの先端にできる花序(花の集団)のこと。

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