1932年(昭和7年)に「新訂尋常小学唱歌(3)」で発表された文部省唱歌です。
ここで使われている「楊(やなぎ)」とは「ネコヤナギ」「カワヤナギ」などのしなだれないヤナギのことで、一般によく使われる「柳」は、「シダレヤナギ」のことをいいます。
3番の「川原のおも」とは、川原の表面、言うなれば「川全体が」ということで良いと思います。
蛍(文部省唱歌)
蛍(ほたる) 作詞:井上 赳/作曲:下総 皖一
1
蛍のやどは 川ばた楊
楊おぼろに 夕やみ寄せて
川の目高が 夢見る頃は
ほ ほ ほたるが灯をともす
2
川風そよぐ 楊もそよぐ
そよぐ楊に 蛍がゆれて
山の三日月 隠れる頃は
ほ ほ ほたるが飛んで出る
3
川原のおもは 五月の闇夜
かなたこなたに 友よび集い
むれて蛍の 大まり小まり
ほ ほ ほたるが飛んで行く
私が子供の頃を過ごしたのは、田舎の小さな村でした、蛍は時期になると家の庭やすぐ前の田んぼにたくさん飛んでいました。今ではほとんど廃村に近いような状態になっています。そんな田舎でも最近は蛍が少なくなり、あまり見られなくなったということです。
人間が多くなって蛍の棲める環境が少なくなっても、また逆に過疎になって人が住まなくなり、人の手が入らなくなった環境(本来の自然)でも蛍には棲みにくいようです。適当に人の手の入った「里山(さとやま)」のような環境が一番なのでしょう。
今は各地で蛍を増やそうという取り組みが行われているようです、皆さんも機会があったら是非に大自然の中での蛍を見てください。イルミネーションとは違った美しさに感動しますよ。
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