「蛍の光」は、卒業式などで歌われる別れの歌として、長く日本人に親しまれてきた唱歌です。1881年(明治14年)に、文部省音楽取調掛が編纂した『小学唱歌集 初編』に「蛍」という題名で掲載され、発表されました。
原曲は、スコットランド民謡「Auld Lang Syne(オールド・ラング・サイン)」です。この曲は、スコットランドの詩人ロバート・バーンズによる歌詞で広く知られるようになり、友情や過ぎ去った日々を振り返り、再会を願う歌として歌われてきました。
日本語の歌詞は「稲垣千頴(いながき ちかい)」によるもので、原曲の歌詞をそのまま訳したものではなく、日本の唱歌として新たに作られた歌詞です。夜の蛍の光のもとで学問に励む情景から始まり、卒業や別れ、そしてそれぞれの道へ旅立っていく心情へとつながっていきます。
「蛍の光」が特に日本で卒業式の歌として定着した背景には、別れを惜しみながらも、新しい人生へ向かって進んでいくという歌の雰囲気があります。現在では主に第1番・第2番が歌われますが、もともとの唱歌には第3番・第4番もありました。
明治14年の発表から140年以上を経た現在も、「蛍の光」は卒業式や閉店時など、さまざまな「別れ」の場面で耳にすることがあります。静かで親しみやすい旋律の中に、過ぎ去った時間への感謝と、これから始まる未来への希望が込められた、日本を代表する唱歌の一つです。
蛍の光
うた
演奏
作詞:稲垣千頴
スコットランド民謡
1
蛍の光 窓の雪
書読む月日 重ねつつ
いつしか年も すぎの戸を
開けてぞ今朝は 別れ行く
2
止まるも行くも 限りとて
互に思う 千万の
心の端を 一言に
幸くと許り 歌うなり
3
筑紫の極み 陸の奥
海山遠く 隔つとも
その真心は 隔てなく
一つに尽くせ 国のため
4
千島の奧も 沖繩も
八洲の内の 護りなり
至らん国に 勲しく
努めよ我が背 恙無く
わがせ(我が夫・我が背 )⇒ 女性が,夫や恋人,または男性を親しみを込めていう語。

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