作詞:北原白秋
作曲:山田耕筰
詩の発表:1919年(大正8年)4月
山田耕筰による作曲:1927年(昭和2年)
「あわて床屋」は、北原白秋のユーモラスな詩に、山田耕筰が曲をつけた親しみ深い童謡です。
詩は1919年(大正8年)4月、雑誌『赤い鳥』に発表されました。川辺の葦の中で床屋を開いた蟹のところへ、髪を刈ってほしいと兎がやって来ます。ところが、兎が「早く、早く」とせかすため、蟹もすっかり慌ててしまい、動く耳を誤って切り落としてしまうという、なんとも滑稽な出来事が描かれています。
この作品の大きな魅力は、「チョッキン、チョッキン、チョッキンナ」という印象的な繰り返しです。蟹が鋏を動かす様子や、慌ただしい床屋の情景が音とことばによって生き生きと表現され、子どもにも分かりやすい楽しい物語になっています。
なお、白秋の詩が発表された当初には、石川養拙による曲が『赤い鳥』に掲載されていました。その後、山田耕筰がこの詩に新たな曲を付け、1927年(昭和2年)刊行の『山田耕作童謡百曲集』に収録しました。現在広く知られている「あわて床屋」は、この山田耕筰の作品です。
あわて床屋
あわて床屋
作詞:北原 白秋/作曲:山田 耕筰
1
春は早うから 川辺の葦に
蟹が店出し 床屋でござる
チョッキン チョッキン チョッキンナ
2
子蟹ぶつぶつ 石鹸を溶かし
親爺自慢で 鋏を鳴らす
チョッキン チョッキン チョッキンナ
3
そこへ兎が お客にござる
どうぞ急いで 髪刈っておくれ
チョッキン チョッキン チョッキンナ
4
兎ァ気がせく 蟹ァ慌てるし
早く早くと 客ァつめこむし
チョッキン チョッキン チョッキンナ
5
邪魔なお耳は ぴょこぴょこするし
そこで慌てて チョンと切りおとす
チョッキン チョッキン チョッキンナ
6
兎ァ怒るし 蟹ァ恥ょかくし
仕方なくなく 穴へと逃げる
チョッキン チョッキン チョッキンナ
仕方なくなく 穴へと逃げる
チョッキン チョッキン チョッキンナ

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