作詞:不詳
作曲:下総皖一
発表:昭和17年(1942年)
「姉」は、昭和17年(1942年)に文部省から発行された国民学校用音楽教科書『初等科音楽 四』に掲載された文部省唱歌です。作詞者は不詳とされ、曲は「たなばたさま」「花火」「野菊」などの作品で知られる作曲家・下総皖一が担当しました。
この時代の文部省唱歌は、単に音楽を学ぶためだけではなく、国民学校の教育方針に沿って、家庭や社会における役割、勤労、家族への思いなどを歌に表現する役割も担っていました。「姉」も、そうした当時の教育環境の中で生まれた作品の一つです。
作曲者の下総皖一(1898~1962)は、東京音楽学校を首席で卒業した後、教師・作曲家として活動しました。1940年には国民学校の音楽教科書編纂委員を務め、1942年には東京音楽学校教授に就任しています。教育現場と深く関わりながら、多くの唱歌や童謡、校歌を残しました。
「姉」は、現在ではあまり歌われる機会のない作品ですが、昭和前期の学校音楽、とりわけ戦時下の国民学校でどのような歌が教材として選ばれていたのかを知ることのできる一曲です。
姉
姉 作詞:不詳 作曲:下総皖一
1
わが家に咲き出し 白百合の
やさしき姉の 嫁ぎゆく
めでたき日なれど などかくも
寂しさこもる あかね雲
2
わが家にかおりし 白菊の
ゆかしき姉の 嫁ぎゆく
うれしき日なれど などかくも
今宵はうるむ 空の星

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