作詞:北原白秋
作曲:本居長世
1929年(昭和4年)頃
「雨のあと」は、詩人・北原白秋の詩に、童謡作曲家・本居長世が曲をつけた作品です。北原白秋は、日本の童謡運動を代表する詩人の一人で、子どもの世界を題材にしながら、自然の情景や日本語の美しい響きを生かした数多くの作品を残しました。本居長世は、「十五夜お月さん」「七つの子」などで知られ、童謡の発展に大きく貢献した作曲家です。
この歌では、雨上がりの夜の情景が描かれています。萌黄色の傘、月夜、笹の葉に残る露、水車の音、そして青く濡れた蛍籠――。雨の名残を感じさせる静かな風景の中に、蛍の光が浮かび上がります。
特に「ほうほうほたる」という繰り返しは、蛍を呼びかけるような素朴な響きを持ち、歌全体に幻想的な雰囲気を与えています。水車の「ことこと」という音も加わり、雨上がりの静かな夜が目の前に浮かぶようです。
北原白秋の繊細な言葉と、本居長世の抒情的な旋律が組み合わさることで、単なる子どもの歌にとどまらない、日本の夏の夜の美しさを感じさせる童謡となっています。
なお、「雨のあと」は本居長世の童謡作品として確認できますが、同名で別の作曲者による作品も存在しています。
雨のあと
雨のあと 作詞:北原 白秋/作曲:本居 長世
1
萌黄(もえぎ)のかさは かたわれ月夜
ほうほうほたる しめれよ一つ
笹葉の露は 小雨ののこり
ほうほうほたる あがれよ二つ
2
水車の音も ことことなるに
ほうほうほたる すうすとわたれ
螢の籠(かご)も あをあをぬれた
ほうほうほうよ ほうほうほうよ

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