作曲:成田為三
発表:大正8年(1919年)
「雨」は、北原白秋の詩に成田為三が曲をつけた童謡です。大正8年(1919年)、鈴木三重吉が主宰した児童文芸誌『赤い鳥』に発表されました。成田為三による「雨」は、同誌の大正8年6月号に「赤い鳥曲譜その二」として掲載されています。
歌い出しの「雨が降ります 雨が降る」という繰り返しが印象的で、しとしとと降り続く雨の情景が、子どもの目線から描かれています。雨のため外へ遊びに行けず、家の中で千代紙を折ったり、人形を寝かせたりして過ごす子どもの姿には、どこか寂しさが感じられます。
一方で、雨の中で「けんけんこきじ」が鳴く場面など、自然の音や生き物へのいたわりも描かれています。単に雨の日を描いた歌ではなく、子どもの心の動きと、雨に包まれた静かな世界を美しく表現した作品といえるでしょう。
北原白秋は『赤い鳥』の童謡運動を代表する詩人の一人であり、成田為三も同誌の童謡作曲家として活躍しました。成田は「かなりや」などの作品によって童謡作曲家として知られるようになり、『赤い鳥』の童謡創作に大きく貢献しています。
なお、「雨」には弘田龍太郎が作曲した同名の作品も存在するため、資料によって作曲者が異なる場合があります。今回の「雨」は、北原白秋作詞・成田為三作曲の作品です。
聴き比べてみてください。⇒ 「弘田龍太郎」作曲の「雨」に移動します
雨 (作曲:成田為三)
雨 作詞:北原 白秋/作曲:成田 為三
1
雨がふります 雨がふる
遊びにゆきたし 傘はなし
紅緒の木履も 緒が切れた
2
雨がふります 雨がふる
いやでもお家で 遊びましょう
千代紙折りましょう たたみましょう
3
雨がふります 雨がふる
けんけん小雉子が 今啼いた
小雉子も寒かろ 寂しかろ
4
雨がふります 雨がふる
お人形寝かせど まだ止まぬ
お線香花火も みな焚いた
5
雨がふります 雨がふる
昼もふるふる 夜もふる
雨がふります 雨がふる

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