作詞:川路柳虹(1888~1959)
作曲:草川信(1893~1948)
発表:1924年(大正13年)頃
「秋はゆく」は、詩人・川路柳虹の詞に、童謡・唱歌の作曲で知られる草川信が曲をつけた作品です。川路柳虹は近代日本の詩壇で活躍した詩人で、自由詩運動にも関わり、自然や人間の心を繊細に描いた作品を残しました。草川信は「夕焼け小焼け」などで知られ、親しみやすく抒情的な旋律を数多く生み出しています。
歌詞は、「秋は逝く」という言葉から始まり、静かな雨、森を渡る風、老いた葛のつる、そして土に朽ちていく木の葉など、秋が終わりへ向かう情景を描いています。最後には「かえれ小鳥よ」と呼びかけながら、都を去って久しい「わが人」への思いが重ねられ、単なる季節の歌ではなく、過ぎ去る季節と、大切な人との別れを重ねた哀感のある作品となっています。
特に、秋の自然を「終わり」や「別れ」の象徴として描いているところが、この歌の大きな特徴です。雨や風、落ち葉といった静かな情景の中に、時間の流れや人の孤独が感じられます。草川信の旋律も、こうした詩の持つしみじみとした情感を生かしたものとして味わうことができます。
作曲者「草川 信」について
長野県上水内郡長野町(現長野市)生まれる。長野師範学校附属小学校(信州大学教育学部附属長野小学校)、旧制長野中学(長野県長野高等学校の前身)から東京音楽学校(東京芸術大学音楽学部の前身)に進み、バイオリンとピアノを習う。
その後は高等学校の教職の傍ら、東京音楽学校管弦楽団などで演奏家として活動、雑誌「赤い鳥」にも参加し童謡の作曲を手がける。故郷の長野市往生寺境内に「夕焼けの鐘」「夕焼小焼」の歌碑がある。(参考資料:Wikipedia、他)
主な作品として「ゆりかごの唄」「離れ小島の」「ふぶきの晩」「夕焼小焼」「汽車ポッポ」「緑のそよ風」「春のうた」「どこかで春が」など多数あります。
秋はゆく
秋はゆく 作詞:川路 柳虹/作曲:草川 信
秋は逝く 秋はゆく
雨さめざめと 森に泣き
風がねごとを 木につたふ
ひとり燃たる 蔦かづら
老いて淋しき 幹により
木の葉みな土に
朽つるを眺めたり
かえれ小鳥よ 秋はゆく
わが人よ 都を去りて幾月ぞ
幾月ぞ

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